統一地方選の政策に思う(2023年)

※当記事は、政治の話題が苦手な方はご注意ください。
※当記事はあくまでも当ブログ運営者の私見であり、どの政党・政治団体を支持するのか(しないのか)は、当記事をご覧の方ご自身での判断によることです。

各国政政党では統一地方選(2023年4月9・23日)の政策が出されています。
政策の比較に便利なのが政治情報サイトです。
具体的には「選挙ドットコム」での「政党政策比較表」であり、国政政党10党が対象です。

土地の「足」のあり方を問う論点

くだんの記事では7点の論点が記載されていますが、特に気になるのが「不採算の地方鉄道・バス路線を廃止すべきか」という論点です。
土地の「足」のあり方をどのように考えるのかという問題です。

国政政党の回答
回答 回答数 内訳
賛成 1 政女
やや賛成 0 (該当なし)
中立 1 維新
やや反対 2 自民、立憲
反対 6 公明、共産、国民、れ新、社民、参政
合計 10 -

(出典:選挙ドットコム「統一地方選挙2023の各党政策を一覧で比較してみよう|第20回統一地方選挙 政党政策比較表」)
賛成は政女(政治家女子48党。旧NHK党)のみです。
ただし、「不採算の路線は無駄」「地方は自家用車でじゅうぶん」と明確に言及されているわけではなく、「税金での維持ではなく、新規参入を開放すべき」とのことです。
中立の維新は「単に不採算というだけで廃止すべきという意見には反対」とのことです。
このほかの8党は反対寄り(やや反対+反対)で、国政政党の80%が反対寄りという結果です。
くだんの記事では対象とされていませんが、国政政党以外の諸派・無所属の考え方も気になるところです。

政女に関してはNHK問題(受信料制度など)というほかの政党では扱われていないことを扱われている点で注目しているだけに複雑です。
「不採算の路線は無駄」「地方は自家用車でじゅうぶん」とまでは言及されていないのはまだ増しですが、不採算の路線を税金で支えることは後ろ向きのようです。
どのものごとが無駄なのか(無駄ではないのか)は各人思うところがあるとは存じますが、当ブログ運営者といたしましては公共交通関連で税金を財源とすることはほかのものごとよりよほど有意義と存じます。
運賃を払えば層を問わず使える「足」の存在は暮らす側・訪問する側いずれからしてもメリットがあるためです。
ただし、すべてを税金でまかなうのではなく、必要としている・支えたいと考えている人間が支えられる仕組み(クラウドファンディングなど)が必要です。
また、自家用車前提の街づくりを見直すなど、多くの人間に活用されるための施策が必要です。
新規参入とのことですが、過去に民間企業が撤退されたり、暮らしている人間専用(もしくは中心。もはや公共交通なのだろうか)の事前予約制(デマンド交通)化されたりほどの土地で今後参入しようとする事業者があるのかが気になるところです。
金のことを気にしなくて良いのならぜひとも参入していただきたいところですが、現実的には厳しいのではないでしょうか。
なお、同党は「NHK問題以外は自由」という方向性であり、所属議員によって考え方に差があるのかもしれません。
各所属議員の考え方が気になるところです。

政策の疑問点

下記は各国政政党で出されている政策で疑問に感じている点です。

自民党

●4ページ「誰一人取り残されないデジタル社会の実現」
→デジタル化の推進に疑問です。
●7ページ「"こどもまんなか"の子育て支援少子化対策
→省庁に「家庭」という文字が含まれているのは家庭ありきを感じさせるため、疑問です。
●8ページ「感染症への対応力強化」
→医療体制・治療薬が確立されていない状況で5類に位置づけることに疑問です。
●10ページ「観光振興、インバウンド回復」
→対他国以前に国内の都道府県境を越える移動の問題(医療体制・治療薬の未確立、後ろめたさが払しょくされていない)を是正すべきです。
●14ページ「6 憲法改正を早期に実現します」
改憲4項目を前提でなされるのは疑問です。
(出典:「2023年政策パンフレット」)

公明党

●(「デジタル推進委員」による支援強化」
→そこまでしてデジタル化を推進することに疑問です。
(出典:「重点政策|統一地方選 2023 特設サイト」)

立憲民主党

●「(29)地産地消を推進し、学校給食、観光と連携します」
→ほかの政党の疑問点と比べると「強いて申し上げるなら程度」ですが、地産地消より土地にとらわれない消費のほうがメリットがあるのではないでしょうか。
(出典:「ボトムアップビジョン2023」)

日本共産党

●「高校無償化をすすめます。大学学費の無償化をめざし、当面、半額にします。」
→むしろ義務教育を受ければ(さらに申し上げると学校教育を受けていなくても)それなりに暮らせる世の中とすべきです。
無償化・支援をするのなら後期中等教育(高校など)以降より学校教育以外の学び方を対象とすべきです。
●「道州制導入と新たな市町村の大再編に反対します。」
道州制地方分権型で導入されるということであれば反対はもっともですが、都道府県制の見直し・市区町村の合併は必要です。
都道府県も市区町村も数が多いですし、大規模のところと小規模のところの格差が激しいもので、是正が必要であるためです。
(出典:「統一地方選挙政策アピール」)

日本維新の会

●「4.多様性を支える教育・将来世代への徹底投資」のうち
→義務教育ですらないもの(後期中等教育・高等教育)の無償化は疑問です。
むしろ義務教育を受ければそれなりに暮らせる世の中とすべきです。
●「6.地域防災、防犯力の強化」
→防犯力の強化だけでは根本的なことは変わらないのではないでしょうか。
●「7.中央集権の限界を突破する、地方分権と地方の自立」
地方分権の推進は地方任せの助長です。
●「8.デジタル社会に対応した新しい行政の形」
→「ペーパーレス化」とありまして、デジタルを苦手とする人間にとっては不便であるためです。
(出典:「統一地方選挙マニフェスト」)

国民民主党

●1ページ「(4)デジタル化、カーボン・ニュートラル投資の加速」
→デジタル化の推進は疑問です。
●2ページ「(6)新たな教育インフラの創設」
→進学はともかく、他県への流出を後ろ向きに扱うことは疑問です。
地元にとらわれるよりよその土地を知るに越したことはないためです。
●6ページ「(7)地方分権
地方分権の推進は地方任せの助長です。
(出典:「地方選挙政策3本柱」)

れいわ新選組

●5ページ「幼稚園から大学院まで、教育を無償化します」
後期中等教育以降の無償化は疑問です。
むしろ義務教育を受ければそれなりに暮らせる世の中とすべきです。
●13ページ「12 市民自治地方分権
→市民自治はともかく、地方分権の推進は地方任せの助長です。
(出典:「統一自治体選挙マニフェスト」)

社民党

●21ページ「就学前教育から高等教育まで、すべての教育にかかる費用の無償化を目指します。」
後期中等教育以降の無償化は疑問です。
むしろ義務教育を受ければそれなりに暮らせる世の中とすべきです。
●73ページ「(3)分権の推進」
地方分権の推進は地方任せの助長です。
「広域連合を活用」とありますが、都道府県と市区町村の間に階層が実質存在しているようなものであり、疑問です。
広域連合は市区町村単独では困難なことを行うものとされていますが、単独では成り立たないのなら階層を実質設けるより合併をすべきです。
(出典:「統一自治体選挙2023政策集」)

政治家女子48党

●「新型コロナ等感染症対策」
→医療体制・治療薬が確立されていない状況で「マスクを外すように奨励」することは疑問です。
●「原発・エネルギー」
→12年前(当記事投稿時点)の事故を繰り返してはならないため、原発再稼働に疑問です。
●「憲法
→議論を行うこと自体は理解できないわけではないですが、自民党案・維新の会案前提ではない議論をしていただきたいものです。
(出典:「政治家女子48党の公約」)

参政党

●「中央依存や他人任せではなく」
→例のウイルス対応の現状からするとむしろ国が地方(特に都道府県)に依存しているのではないでしょうか。
●「接種やマスク等の強要には反対」
→強要は問題ですが、逆に接種済み・接種予定の人間を見下している人間(反接種)も問題です。
医療体制・治療薬が確立されていない状況ではマスクが必要です(事情があってできない場合はこの限りではないが)。
(出典:「統一地方選の公約」)