こども家庭庁の発足に思う

こども家庭庁という国の省庁が2023年4月1日に発足されています。
これまで縦割りであった子供関連の政策を一元化するのが意義とされています。
縦割り行政であったものを一元化するのはまだしも、「家庭」という文字が含まれていることに疑問です。

「家庭」という文字

当初は「こども庁」という名称で想定されていましたが、そこに「家庭」という文字が追加されています。
与党の一部から「子は家庭を基盤として成長する存在」「子の育ちを支えるためには家庭を支えることが重要」という声があるのが背景とのことです。
与党と申しますと改憲案で家族尊重の義務づけに言及されていることが連想されます。

家庭ありきの印象

「家庭」という文字が含まれているのは「子は家庭ありき」という印象です。
どの子も家庭に居場所があるわけではありません。
異なる表記をすると、どの家庭も子にとって安心で有益な存在というわけではありません。
名称は家庭ありきではないものに見直し、過酷な・複雑な家庭環境に置かれている(もしくは置かれていたことのある)人間への配慮が必要です。
家庭(と学校)を前提とするのではなく、家庭でも学校でもない居場所を拡充させるなど、個人に目を向けていただきたいものです。
表題の件に限らず名称などの言いまわしを追及すると「名だけにこだわるなんて」「言葉狩り」と反論されることがありますが、(名だけではなく中身がともなっていなければならないにしても)言いまわしによる印象を見すごして良いわけではありません。

当ブログ運営者は「家族尊重義務に反対」と声を挙げるための活動をおこなっております。
署名活動第6号、2022年10月9日の記事で扱っております。
当記事をご覧の方に声を挙げていただけると幸いに存じます。